ラウリルベタインの特徴と安全性
化学式 | 構造式 | ![]() |
用途・効果 | 洗浄剤、帯電防止、ヘアコンディショニング剤 |
ラウリルベタインとは
ラウリルベタインとは、高級脂肪酸であるラウリン酸、ラウリル酸アルキルエステル、アミノ酢酸ベタインなどから合成される両性界面活性剤で、水によく溶けて幅広いpHで安定性が高く刺激の少ない成分です。
ラウリルベタイン自体にも増粘効果・起泡力がありますが、アニオン界面活性剤と組み合わせると相乗効果で増粘効果・起泡力・洗浄力などの効果を高めます。
ラウリルベタインの安全性について
眼刺激性について
16% and 30% and lauryl betaine at 10% were ocular irritants
16%および30%のラウリルベタインおよび10%のラウリルベタインは眼刺激剤であった。
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
3匹のウサギの眼に10%ラウリルベタイン水溶液を適用し、すすがず、OECD405テストガイドラインに従って眼を検査したところ、刺激性に分類された
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
洗浄製品での使用、および希釈して使用する場合、眼刺激性があると考えられます。
皮膚刺激性について
Non-human and human irritation and anti-irritation studies are presented in Table 8. Betaine had anti-irritating
effects on the skin in several efficacy studies in humans. In dermal studies, coco-betaine was not irritating in a rabbit
非ヒトおよびヒトの炎症および抗炎症試験を表8に示す。ベタインは抗炎症性ヒトにおけるいくつかの有効性試験における皮膚への影響。皮膚試験では、ココベタインはウサギで刺激的ではなかった。
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
7人の被検者に1%および10%活性ラウリルベタイン24時間閉塞パッチ適用したところ、10%濃度において1人に重度の紅斑、4人に中等の紅斑、2人に軽度の紅斑が観察され、1%濃度において5人に重度の紅斑、1人に中等の紅斑、1人に軽度の紅斑が観察された
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
19人の被検者に0.1%活性ラウリルベタインを30時間解放パッチ適用したところ、皮膚刺激は観察されなかった
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
試験データの結果から、1%および10%の閉鎖パッチテストでは刺激が報告されていますが、0.1%濃度の解放パッテストでは刺激が報告されていないため、水で希釈する場合は刺激がほとんどないと考えられます。
シャンプーの場合頭皮に残らないようにしっかり洗い流すことが大切と言えます。
アレルギー性について
No relevant published phototoxicity studies on alkyl betaines were discovered and no unpublished data were submitted.
アルキルベタインに関する関連する公表された光毒性研究は発見されず、未発表のデータもなかった
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
20人の被検者に0.1%活性ラウリルベタインを誘導期間およびチャレンジ期間において反復閉塞パッチ適用(HRIPT)したところ、誘導期間において6回目の適用後でひとつの重度の反応が観察され、7回目の適用後に別の被検者で軽度の反応が観察された。チャレンジパッチの直後に反応は観察されなかったが、その後4日の間に1つの重度の遅延反応、1つの遅延中等の反応、2つの軽度の遅延反応が観察された。これらの反応は原発刺激であり、接触感作反応ではないと考えられた
Safety Assessment of Alkyl Betaines as Used in Cosmetics
試験データを見ると、アレルギー性はほとんどないと考えられます。
ラウリルベタインは、洗い流すという前提条件下であれば皮膚刺激性がほとんどなく、またアレルギーの起こる可能性も低い成分と言えます。
ただし、眼刺激性のある成分と考えられます。
ラウリルベタインは濃度が高くなるほど皮膚刺激性が高まるので、注意が必要と言えます。