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【パラベン】パラベンフリーのシャンプーは頭皮に優しい? 毒性は? 特徴とシャンプーを選ぶ際のポイントとは?

シャンプーに配合されている成分で、パラベンという言葉を一度は聞いたことはあるのではないでしょうか?
最近は“パラベンフリー”と記載されているスカルプシャンプーも多く販売されるようになってきました。
“パラベンフリー”と聞くと頭皮や髪の毛に優しそうなイメージがありますが、パラベンとは一体何なのでしょうか?
パラベンの特徴と効果について解説します。

パラベンとはそもそも一体何なのか?

パラベンの特徴

パラベンとはパラオキシ安息香酸エステルの略で、主に防腐剤としての役割を果たします。特徴としては以下の点が挙げられます。

  • ほとんどの雑菌に対して抗菌効果がある
  • 少量で防腐効果を発揮する
  • 防腐できる持続性がある
  • 価格が安価である
  • 毒性は極めて低い

パラベンの種類

パラベンはいくつか種類のある中でも、メチルパラベン、エチルパラベン、プロビルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルパラベン等が一般的に使用されています。
パラベンは配合率が高いと肌荒れの原因となり、使用量が上限1%という規定があります。

それぞれのパラベンの特徴について解説していきます。

メチルパラベン

化粧品成分表示名称
メチルパラベン

医薬部外品表示名称
パラオキシ安息香酸メチル

メチルパラベンは、水に0.25%まで溶け、非常に広範囲の微生物に殺菌力をもっている防腐剤です。
パラベン以外にも防腐剤としてして配合される成分にサリチル酸や安息香酸といったものがありますが、それと比較すると毒性がはるかに低く、肌刺激や敏感症も少ないとされています。
メチルパラベンは肌への刺激が弱いかわりに、殺菌力が弱く、メチルパラベンには殺菌できない微生物や細菌もある為、他のパラベンやフェノキシエタノールと組み合わせて配合されます。

エチルパラベン

化粧品成分表示名称
エチルパラベン

医薬部外品表示名称
パラオキシ安息香酸エチル

エチルパラベンは広範囲の微生物に殺菌力を持っている油溶性の防腐剤です。
メチルパラベンと組み合わせて配合されることで殺菌効果が増加します。

プロビルパラベン

化粧品成分表示名称
プロピルパラベン

医薬部外品表示名称
パラオキシ安息香酸プロピル

プロビルパラベンもエチルパラベン同様、油溶性の防腐剤です。
メチルパラベンは水溶性の防腐剤で、プロピルパラベンは油性の防腐剤なので、シャンプーに配合された場合、お互いの使用量を減らして防腐効果を向上できるために組み合わせて配合されます。

ベンジルパラベン

化粧品成分表示名称
ベンジルパラベン

医薬部外品表示名称
パラオキシ安息香酸エステル

ベンジルパラベンはシャンプーや化粧品の防腐剤以外に、飲料向けの防腐剤としても使われています。
また、シャンプーに配合される場合は、エチルパラベンやプロビルパラベン同様、メチルパラベンと組み合わせて配合されます。

パラベンの組み合わせによる抗菌力の増加のデータ

メチルパラベン単体だけでなく、パラベンは組み合わせることによって抗菌力が強まるというデータがあります。

対象

  • パラベンなし
  • MP:メチルパラベン
  • EP:エチルパラベン
  • PP:プロピルパラベン
  • cfu:コロニーとして検出された菌数
  • メチルパラベン単体とメチルパラベン・プロピルパラベン組み合わせとの効果比較【酵母】

    酵母に対しメチルパラベン単体とメチルパラベン・プロピルパラベン組み合わせとの効果比較したグラフ

    引用:上野製薬株式会社

    メチルパラベン単体とメチルパラベン・プロピルパラベン組み合わせとの効果比較【カビ】

    カビに対しメチルパラベン単体とメチルパラベン・プロピルパラベン組み合わせとの効果比較したグラフ

    引用:上野製薬株式会社

    グラフをみると、酵母に対してはメチルパラベンを0.3%配合するよりもメチルパラベン0.2%とプロピルパラベン0.1%を併合したほうが素早く確実に防腐できているのがわかる一方、カビに対してはメチルパラベン0.3%のほうが抗菌力が強く、プロピルパラベンはカビの抗菌力が弱いとわかります。

    メチルパラベンはカビに対して素早く確実な抗菌力があることから、様々な菌をできるだけ微量で防ぐには、メチルパラベンに微量のプロピルパラベンやエチルパラベンをセットで併用するのが効果的なことがわかります。

    同じ防腐剤で何が違う?パラベンとフェノキシエタノールとの違いとは

    パラベンはシャンプーにおいて防腐剤として配合されますが、同じ防腐剤に“フェノキシエタノール”というものがあります。
    フェノキシエタノールの特徴としては、

    • パラベンが効きにくい微生物に有効
    • パラベンより殺菌力が劣る
    • パラベンよりもアレルギーのリスクが少ない

    ことが挙げられます。
    フェノキシエタノールは殺菌力が弱いことから、一般的にはパラベンより濃い濃度で配合しなければ効果が得られないことがデメリットです。

    スカルプシャンプーにはパラベンのような防腐剤は必要?その理由とは

    シャンプーの主成分は水です。
    水は微生物が混入した際、繁殖しやすく、腐敗しやすいものです。
    シャンプーは風呂場という、高温多湿の場所で保管されるケースがほとんどです。
    つまり、シャンプーは微生物にとっては繁殖しやすい環境と言えます。
    パラベンをはじめとした防腐剤は、雑菌の侵入や繁殖を抑制し、清潔な状態を維持して保管できるように配合されています。
    もし、シャンプーにこれらの防腐剤が入っていなければ数日で腐敗してしまうと言われています。
    雑菌が繁殖したシャンプーを使用すれば、頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。

    パラベンフリーは本当に頭皮に優しいのか

    パラベンフリーと聞くと、頭皮や髪に悪影響を与える成分が含まれていないというイメージをしがちですが、一概にそうとは言えません。
    シャンプーは高温多湿な場所で使用される為、雑菌の侵入や繁殖を抑えるパラベンのような防腐剤は必要になります。
    その為、パラベンフリーと記載がある場合、代替の防腐剤を使用している可能性があります。
    代替の防腐剤の中には、パラベンよりも刺激が強く、肌に影響を与えてしまうものや、安全性のデータが全くないものもあります。
    また、パラベンは体に悪いというイメージが広がったことにより、パラベンよりも強力な代替の防腐剤を使用せざるおえなくなったという実情もあります。

    パラベンによるアレルギー(皮膚感作性)について

    パラベンはアレルギーを引き起こす物質かどうかの研究を紹介します。

    Parabens are practically nonirritating and nonsensitizing in the human population with normal skin. Paraben sensitization has been reported when Paraben-containing medicaments have been applied to damaged or broken skin.

    パラベンは、正常な皮膚を有するヒトにおいて、事実上非刺激性であり、非感受性である。 パラベン含有医薬品が損傷した皮膚に塗布された場合、パラベン感作が報告されている。

    引用:Cosmetic Ingredient Review

    このデータによると、健常な皮膚の場合アレルギー反応は起きにくく、皮膚炎などの皮膚の異常がある場合にはアレルギー反応が起きやすいと解釈できます。
    ただ、現在多くの化粧品や洗浄製品にパラベンが配合されている中で、重大なアレルギーが報告されていないことから、アレルギー反応(皮膚感作)が起こる可能性は限りなく低いと考えられます。

    パラベンによる発がん性について

    パラベンは発がん性の成分であるという疑いが発表された理由は、乳がん患者の腫瘍からパラベンが検出されたことに起因しています。
    脇に使用する制汗剤や消臭剤などが乳がんを誘発したのではないか?と伝えられました。

    しかし、パラベンと乳がんとの因果関係は明らかにされておらず、噂の範疇であると考えられます。

    シャンプーを選ぶときはパラベン入り?それともパラベンフリー?

    30年前、パラベンは1000人に3人の割合でアレルギーを引き起こす可能性があるとして、“旧表示指定成分”とされていました。しかし、30年間の間で防腐効果を保ちつつ、肌への影響を最小限に抑えた配合量などの研究が進み、安全に使用できる技術が進歩しています。
    パラベンが0.25%以上の濃度で配合されていると刺激を感じる、アレルギー反応が出てしまうという人がいるのも事実ですが、シャンプーには界面活性剤や香料や着色料なども配合されているので、パラベンによってアレルギーが出ているのかどうか見極めることが大切です。見極めて、パラベンの性質を正しく理解した上で、自身の体質にあったシャンプーを選ぶようにして下さい。

    天然由来の防腐剤なら安心?

    シャンプーの中にはパラベンなどの人工防腐剤を使用せず、天然由来の防腐剤を使用したシャンプーもあります。
    天然由来の防腐剤とは、わさび、唐辛子、ヒノキ、生姜、ローズマリーなどから抽出したエキスに含まれる成分を使用します。
    天然由来の防腐剤の特徴として、肌への刺激が少なく頭皮の常在菌を排除することもありません。
    しかし、これらの成分は生産コストが割高になったり、ある一定の菌にしか効果がないなどの問題もあります。
    例として、フェノキシエタノールは緑茶由来の天然防腐剤として多く使用されています。
    天然由来の成分で安全そうなイメージですが、この防腐剤は黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐためにはメチルパラベンの3~4倍もの量が必要になります。
    これは、肌への刺激がパラベン以上になってしまう危険性があります。

    最後に

    パラベンは防腐剤。防腐剤と聞くと肌に悪影響を与えかねない。という盲目的なイメージがありますが、パラベンは刺激が低く安全性が高い成分ということが言えます。
    シャンプーは高温多湿の場所に常に置いてあるものなので、菌の発生の抑制は必須です。
    もし、細菌が大量に繁殖したシャンプーを使用してしまった場合の肌や髪の毛に対する影響は言わずもがなです。
    “パラベンフリー”や“天然由来の防腐剤”などの言葉に踊らされることなく、自分にあったシャンプーを選ぶことは大切です。

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